代表あいさつ
Greeting
川越 里佳〈代表(家庭動物管理士3級)〉
保護ネコ施設CATS WELCARE代表の川越里佳と申します。
子どもの時から動物や植物など命のあるものが大好きで、小児科医として働く傍ら、動物保護施設のボランティアやTNRのお手伝いなどを経験してきました。
TNRとは、不幸な境遇の野良ねこを減らし殺処分をゼロにするため、捕獲したネコに避妊去勢手術をし、元いたテリトリーに戻してお世話をする活動のことです。リターンするネコの中には、人を信じてついてくる子ネコなど、厳しい環境に戻すのが忍びない子がたくさんいました。こういうネコたちを保護して幸せにしたいと2019年に保護猫施設CATS WELCAREを設立しました。
日々外敵におびえ、気候変化に耐え、ゴミを漁って飢えをしのぐ。そんな厳しい暮らしを強いられているネコたちを保護し、安全で快適な環境を与えること。それだけで十分助けになる、当初はそんな気持ちでした。けれど実際保護施設を運営することはそんなに簡単ではありませんでした。


ネコたちは人と同じ、1匹1匹性格が違います。甘えん坊の子、怖がりの子、おとなしい子、やんちゃな子。人が苦手な子、ねこが苦手な子。保護して1匹1匹を個として知ると、みんなが幸せに暮らせるためには1匹1匹と全体をよく見て、つねにベストな環境を整えてあげる必要があります。また、多頭飼育環境では、いろいろな病気が流行るので体調管理にも神経をとがらせる必要があります。1匹1匹をしあわせにしたい。その気持ちが強くなるほど、多くの資金と労力が必要であることがわかりました。
それでも私たちは1匹でも多くの子を保護して幸せにしたい。ネコを飼いたいと思っておられる方々に、CATS WELCAREのネコたちを知っていただき、温かいご家庭に迎えていただきたい。そして、ネコと触れ合う機会を多くの方々に提供することで、ヒトにも幸せになっていただきたい。
「ねこのしあわせのために。ひとのしあわせのために。」
ヒトのせいで不幸な境遇に追いやられるネコをなくし、ヒトとネコが共存してお互いに幸せを与えあえる、そんな社会の実現に向けて、私たちは地道に活動を続けたいと思います。私たちの理念を形にするには、多くの方々のご理解が必要です。私たちの存在が、一人でも多くの方に人間社会の繁栄の陰で不幸な境遇に追いやられている動物たちに関心をもっていただく機会になればうれしいです。

スタッフ紹介
乾野 純子〈代表補佐・店舗統括〉

私は元々CWCから三匹の猫の譲渡を受けた里親でした。自分が里親になり、より保護猫活動に深く感銘を受けこのまま猫を育てるだけが私にできることだろうか?もっとできることがあるのではないか?と考え、ボランティアを経てスタッフになりました。
私がやるべきは<一匹でも多くの保護猫にずっとのお家を見つけ、家族の一員として里親様と共に幸せに暮らしてもらう>架け橋を作ること。自身の経験を生かし、里親様が抱く疑問点や不安要素を一緒に取り除き、猫も人も幸せに暮らせるよう、安心して気さくに相談できるスタッフであり続けたいと思います。
宇塚 芳乃〈1号店店長、経理責任者(家庭動物管理士3級)〉

私はもともと、家で飼っている元保護猫を譲渡してくれた団体の方が寝る間も惜しんで猫の捕獲、お世話、譲渡に奔走している様子を見て、自分も微力だとしても、猫のために何か活動して貢献したい、猫を救ってくれている人の助けになりたい、と思ったのがボランティアを始めたきっかけでした。
保護猫活動には多くの方々が関わっていて、それぞれ皆が自分にできることをして活動に貢献しています。施設のお掃除・猫のお世話のボランティアさん、預かりのボランティアさん、そして里親様、活動を支援くださるサポーターの皆様…。誰しもが、一匹でも多くの猫を救いたいと切なる想いを持っています。そんな活動に携われていることを誇りに思います。日々困難なことも多いですが、スタッフやサポーターの皆様たちと一丸になって前向きに歩んでまいります。
西井 千瑳〈2号店店長、動物管理責任者(2級愛玩動物飼養管理士)〉

私は小さい頃から動物が好きで、働くなら動物関係の仕事がいい!とずっと思っており、おかげさまで好きな職に就いています。
CWCで働き始めた当初は「地域猫」という言葉も知らないくらい無知でしたが、こんなにも猫を愛してお世話してくれる地域が全国にあるんだ!と知り嬉しくなりました。
最近ではテレビ番組で保護猫のことを紹介したり、海外の保護施設にインタビューしたりと、動物愛護へのみんなの関心は高まってきています。
興味はあるけどひとりではなにもできない…と諦めるのではなく、保護施設でボランティアをしてみたり、物資を送ったり、金銭面でバックアップしたり、できることはたくさんあるので小さなことから実践してみてほしいです。
動物愛護は単なる保護活動に留まらず、社会全体を変える力を持っていると実感しています。日本でももっと多くの人達が猫たちを理解し、愛する気持ちを広げていけるよう、引き続き活動を続けていきたいと思っています。
東谷 陽子〈1号店動物管理責任者(家庭動物管理士3級)〉

動物好きでもあり、健康オタクでもあった私は、ベジタリアンという生き方に以前から関心を持っていました。結婚を機に仕事を辞め、ベジタリアンになる決意をし、SNSで同じ境遇の人と交流を持ちはじめました。その過程で、動物の立場があまりにも人間の勝手で残酷過ぎる事を知り、ベジタリアンからさらに進んだヴィーガンになりました。アニマルライツ活動にも関心を持つようになりました。TNRについても知り、殺処分0にするにはTNR以外方法はないと確信したのです。
そんな時、友人が野良猫を保護して困っていることを知りました。TNRを依頼しようと活動している人を探し、会いにも行きました。活動をしている方々の集会に参加もしました。
その中で、多くの方々は、お仕事をしながら自分の時間を割いてボランティアでTNR活動をされているということを知りました。それを知ったとき、TNRは誰かにお願いしてやってもらう事ではないと悟りました。猫を救いたければ自分が動くしかない、と。
はじめは挫折しそうになりました。運転も出来ないし、こんなに大変な事が私に出来るのかと。
悩んだ末の答えは「私がやらなかったら誰がやる?やるしかない」でした。
初めてのTNRは捕獲器1台を自転車に乗せ、片道30分の現場へ。母猫を捉えたかったのに、子猫が2頭も捕獲器に入ってしまい、焦っていた時、なんと最初に会いにいった活動家の方が見に来てくれたのです。おかげで見事母猫も捕まえる事が出来ました。私一人では到底できませんでした。その時の恩は忘れません。
翌日、捕獲器に入った母猫を、避妊手術のため電車で運びました。次の日は、さくら猫になった母猫を、また自転車に乗せて片道30分かけて元の場所にリターンしました。私の第1号のさくら猫は、こうやって地域猫になりました。
6年近くたち、700頭ほどTNRをしてきました。今ではCWCの社用車に捕獲器を10台乗せて走っています。
TNRをしたくても知識や経験がなくて出来ない。誰に頼んだら良いか分らない。そういう方がほとんどです。私はその方達の力になりたいと思っています。思いは痛いほどわかるからです。CWCを通じて、私の知識が人と猫の役にたったらと思い、日々依頼を受けています。
TNRの必要性を知り、CWCのファンになって頂けたら幸いです。
石堂 奈央〈広報責任者〉

私は保護活動に携わる前、精神科ソーシャルワーカーとして患者さまの日々の支援をしていました。その中で感じたことは、人々が抱える生きづらさの背景には、成育過程の中での困難や、周囲の人々や環境との関わり、自分自身の問題など様々な事情があること。そしてその生きづらさや背景が「眠れない」「食事がとれない」「人と関わるのが怖い」などの「症状」に表われている、ということです。例えば「眠れない」という症状が出たときに、その症状だけを見て治療するのではなく、その症状が出る根底(背景)にはなにがあるのかを一緒に考え、その人がその人らしく生活できるよう働きかけてきました。
そして今、猫たちと関わる中で、「人と猫は同じなのかもしれない」と思うことが多々あります。人間を怖がり怯える子、大怪我や病気をしている子、人は大好きだけどネコが嫌いな子、一方で NNN(ねこねこネットワーク)を築き逞しく外で生活をする子、地域で穏やかに生活するさくらねこもいます。それぞれの猫の生きてきた背景は違います。
猫と人は言葉を交わすことができません。だから猫たちがどのような生活を送ってきたのかを想像するしかありません。一方で人同士であっても、自分が抱える困難や生きづらさを堂々と語れる人は少ないのではないでしょうか。コミュニケーションを通じてその人の生き方や性格を知り、言葉では表せないものを尊重しながら生きるーーーそれが人間関係において大切であるように、猫との関係でも同じことが言えるのではないかと思います。
猫は自分の苦しみを言葉にすることはできません。むしろ体調が悪くても表面化しづらいのは彼らが生き抜くための戦術ともいえます。だからこそ、日頃からよく観察し、些細な変化に気づいていくことが私たちの責任だと思います。
こうした猫たちと出会い、日々向き合う中で、私たちは彼らの命の重さや、見えない部分にある背景に改めて気づかされます。この活動を通して「ねこのしあわせのために。ひとのしあわせのために。」できる事を増やしていきたいと思います。
松田 亜由美〈物販責任者〉

幼少の頃から家族の中にねこがいる環境で育ちました。自立した今もその環境は変わらず、ねこがいる事が当たり前の生活です。昔は野良ねこを見るとただ「可愛い」と思っていたのが、大人になるにつれて「ご飯を食べれているのか」、「車に轢かれないだろうか」「夏は酷暑、冬は極寒の中で辛いだろうな」と心配でたまらなくなり野良ねこを見るのが辛くなりました。
私の人生を愛と癒しで豊かにしてくれるねこ達。同じねこでも過酷な環境での生活を余儀なくされている野良ねこ達のために何か出来ないかと考えるようになりました。
そんな時にキャッツウェルケアと出会いました。ずっとねこと暮らしてきたのでねこの扱いには慣れていましたが、正直知らない事、分からない事がとても多い事に驚きました。
保護ねこについて、病気について今も毎日が勉強です。難しい事も多々ありますが、不幸な野良ねこ達を一匹でも多く幸せにするためなら頑張れます。
保護されたねこ達の多くはトラウマを抱え、人が怖くてたまらない状態です。人を見るだけで恐怖を感じたり、人の手を極端に怖がったり、撫でられても甘え方が分からない子も多いです。きっと辛くて嫌な想いをしてきたんだと思います。
トラウマを克服するのは簡単な事ではありませんが、「人は怖くない、甘えても大丈夫」だと思ってもらえるように日々お世話をしています。